みどころが満載の【山口県の名水】5カ所をご紹介~名水百選より~
本州の最西端にある地、山口県。
今回ご紹介するのは、日本最大のカルスト高原にわく「別府弁天池湧水(べっぷべんてんいけゆうすい)」、京都御所の水とかわらないと高く評価される「桜井戸(さくらいど)」、地元特産のわさび栽培にも使われる「寂地川(じゃくちがわ)」、命の水とよばれる湧水と自然の象徴の滝からなる「三明戸湧水、阿字雄の滝(大井湧水)(みあけどゆうすい、あじおのたき・おおいゆうすい)」、観音様の恵みの慈雨(じう)のように多くの恵みをもたらす「潮音洞、清流通り(ちょうおんどう、せいりゅうどおり)」の5つです。
以下の文章では、昭和・平成あわせて計5カ所の山口県の名水について順にご紹介していきます。
目次
昭和の名水百選
別府弁天池湧水
読みがな:べっぷべんてんいけゆうすい。
厳島神社(いつくしまじんじゃ)の境内にある「別府弁天池湧水」は、日本最大のカルスト高原、秋吉台の北約10kmに位置しています。
良好な水質と水量をほこり、非常に透明で、特に深いところでは青色をていした美しい湧水池となっています。水温は約14℃と一定で、夏場の湧水池付近は涼しさを保っています。
この湧水は、農業用水、簡易水道などに利用されており、地域の貴重な水源になっています。
保全については、地元住民で構成された別府水上会講が保護・管理しています。また、地区の人々は毎年踊りを奉納しています。
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種類
湧水
所在地・アクセス
山口県美祢市
- 小郡萩道路「十文字IC」から「別府弁天池湧水」まで車で約25分(16.1km)。
水質データ
水温 | 14.6℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 61.4(中硬水) |
水素イオン濃度(pH) | 7.2 |
電気伝導度(EC) | 157.5 |
塩化物イオン(Cl–) | 7.0 |
硝酸イオン(NO3–) | 1.6 |
硫酸イオン(SO42-) | 3.1 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 73.2 |
ナトリウムイオン(Na+) | 3.8 |
カリウムイオン(K+) | 0.3 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 1.5 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 22.1 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 8.9 |
桜井戸
読みがな:さくらいど。
「桜井戸」は岩国市の南端にあります。
この水は古くから地区の飲料水、農業用水として重要な役割を果たし、瀬戸内を行き来する船舶の飲料水に利用されてきました。
また、茶会用の水として茶人に愛用され、京都御所(きょうとごしょ)の「柳の水」と比較しても変わらないくらいの水でだったと伝えられてきました。住人の間からもいつしか若水としてくむと、長寿の薬になるという伝説もうまれています。
井戸は文化遺産として1982(昭和57)年に改修され、地元の通津地区史跡桜井戸保存会および地区住民によって保存されています。
種類
湧水
所在地・アクセス
山口県岩国市
- 山陽自動車道「玖河IC」から「桜井戸」まで車で約24分(19.3km)。
水質データ
水温 | 19.5℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 45.0(軟水) |
水素イオン濃度(pH) | 6.0 |
電気伝導度(EC) | 137.7 |
塩化物イオン(Cl–) | 6.7 |
硝酸イオン(NO3–) | 4.9 |
硫酸イオン(SO42-) | 10.8 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 43.9 |
ナトリウムイオン(Na+) | 6.3 |
カリウムイオン(K+) | 2.0 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 2.7 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 13.6 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 19.0 |
寂地川
読みがな:じゃくちかわ。
「寂地川」は宇佐川(うさがわ)の最上流部で、西中国山地(にしちゅうごくさんち)国定公園内にあります。つねにきれいで、豊富な水量をほこっています。
この川の水は、昔から地元の住民の飲料水のみならず、錦町の特産品であるわさびの栽培に利用されています。
この寂地川流域にも竜ヶ岳(りゅうがだけ)とよばれる直立200mの花こう岩があり、頂上には聖観音菩薩(せいかんのんぼさつ)がおかれ、古くからの霊場として多くの人に信仰されています。
清流と周辺の自然環境保全のため、地元の老人クラブなどが清掃管理を行っています。
名水百選選抜総選挙
景観が素晴らしい名水部門 エントリー
種類
河川
所在地・アクセス
山口県岩国市
- 中国自動車道「六日市IC」から「寂地峡」まで車で約43分(20.9km)。
水質データ
水温 | 15.8℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 4.4(軟水) |
水素イオン濃度(pH) | 6.7 |
電気伝導度(EC) | 28.7 |
塩化物イオン(Cl–) | 2.4 |
硝酸イオン(NO3–) | 0.5 |
硫酸イオン(SO42-) | 2.7 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 6.1 |
ナトリウムイオン(Na+) | 2.9 |
カリウムイオン(K+) | 0.2 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 0.3 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 1.3 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 9.2 |
通販で購入できるおすすめ品
にしきのおいしい水
日本三名橋や日本三大奇橋に数えられている錦帯橋が架かる山口県岩国市を流れる錦川の支流、宇佐川の最上流にある日本名水百選「寂地川」水系の地下から直接くみ上げたミネラルのバランスの良い、まろやかなおいしい水です。
含有カルシウム分に富んでいるので不足しがちなカルシウムが補給でき、体にやさしい水です。
2010年モンドセレクション金賞を受賞しています。
- メーカー:錦町農産加工
容量:2000ml
品名:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:鉱水
硬度:44(軟水)※価格は各ショッピングモール先でご確認ください
水素たっぷりのおいしい水
昭和33年創業の老舗の食品メーカーが開発した、水素の残存率にこだわった水素水です。
通常、水素は時間が経るに従って抜けていきます。しかし、独自開発した水素が逃げにくいバリアキャップにより、1年後の残存率は84%と高い数値を保っています。
水素濃度判定試薬も配るほど、水素濃度には自信がある商品です。
- メーカー:メロディアン
容量:300ml
品名:ボトルドウォーター
原材料名:水、水素
硬度:48(軟水)※価格は各ショッピングモール先でご確認ください
平成の名水百選
三明戸湧水、阿字雄の滝(大井湧水)
読みがな:みあけどゆうすい、あじおのたき(おおいゆうすい)。
阿武火山群にある羽賀台の自然のろ過によって浄化されて湧きでた「三明戸湧水」は、昔から住民の生活にかかせない水でした。農業や飲用に使われ、今も萩市(はぎし)の大井簡易水道の源となっています。
湧水地にある三明戸石仏は、地元の人に大切にされ、いつも花にかこまれて供養されています。
また、「三明戸湧水」から歩いて10分ほどのところに落差約6mの「阿字雄の滝」があります。上流にある集落からの湧水が岩を流れおち、とくに増水時には雄大な景色がみられます。また、滝のとなりの観音堂境内の小庭園もみどころの一つです。
種類
湧水
所在地・アクセス
山口県萩市
- 中国自動車道「山口IC」から「三明戸湧水」まで車で約1時間16分(55.2km)。
水質データ
水温 | 不明 |
---|---|
硬度(mg/L) | 不明 |
水素イオン濃度(pH) | 不明 |
電気伝導度(EC) | 不明 |
塩化物イオン(Cl–) | 不明 |
硝酸イオン(NO3–) | 不明 |
硫酸イオン(SO42-) | 不明 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 不明 |
ナトリウムイオン(Na+) | 不明 |
カリウムイオン(K+) | 不明 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 不明 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 不明 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 不明 |
潮音洞、清流通り
読みがな:ちょうおんどう、せいりゅうどおり。
「潮音洞」は、錦川支流から用水を取り入れるトンネルのようなものであり、県の指定史跡となっています。
漢陽寺本堂裏の洞窟から流れる水は、境内の庭園を形成する水流となったのち清流通りぞいへと流れていきます。
この水辺には、散策道、イチョウの巨樹、コイが泳ぐ池、昔ながらの水エネルギー利用の施設である水車小屋などがみられます。
近年は上下水道の普及で生活用水としては使われなくなりましたが、地域の中央を流れるこの水は、防火用水としても利用されるなど、住民にとっては「命の水」であり、後世に伝承していくべき財産でもあります。
種類
用水
所在地・アクセス
山口県周南市
- 中国自動車道「鹿野IC」から「潮音洞」まで車で約6分(1.7km)。
水質データ
水温 | 不明 |
---|---|
硬度(mg/L) | 不明 |
水素イオン濃度(pH) | 不明 |
電気伝導度(EC) | 不明 |
塩化物イオン(Cl–) | 不明 |
硝酸イオン(NO3–) | 不明 |
硫酸イオン(SO42-) | 不明 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 不明 |
ナトリウムイオン(Na+) | 不明 |
カリウムイオン(K+) | 不明 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 不明 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 不明 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 不明 |
山口県の名水百選マップ
- (1番左)別府弁天池湧水
- (左から2番目)三明戸湧水、阿字雄の滝(大井湧水)
- (左から3番目)潮音洞、清流通り
- (左から4番目)寂地川
- (1番右)桜井戸