名山が水源となった【山形県の名水】3カ所をご紹介~名水百選より~

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東北地方の南西部にある地、山形県。奥羽山脈(おううさんみゃく)や朝日連峰(あさひれんぽう)の山々から優れた水がこんこんと湧き出してきました。

今回ご紹介するのは、開山(かいざん)は13,000年前と非常に古い歴史をもつ信仰の山の水「月山山麓湧水群(がっさんさんろくゆうすいぐん)」、きれいな水にしか存在しない小魚のイバラトミヨも泳ぐ「小見川(おみがわ)」、羽黒山(はぐろさん)に行く人々が水の上の交通に利用した「立谷沢川(たちやざわがわ)」の3つです。

以下の文章では、日本百名山の一つである月山(がっさん)の大自然が生み出した山形県の昭和・平成計3カ所の名水をご紹介していきます。

山形県の名水百選3か所(月山山麓湧水群・小見川・立谷沢川)の位置を、昭和と平成の選定で色と形を分けて示した地図
山形県の名水百選3か所の位置(陰影は地形の起伏)出典:国土地理院「地理院タイル(淡色地図・陰影起伏図)」、国土交通省「国土数値情報(行政区域)」を加工して作成(図:水のソムリエ編集部作成)

昭和の名水百選

月山山麓湧水群

読みがな:がっさんさんろくゆうすいぐん。

月山は、山形県のほぼ中央に位置している全国的に有名な山です。

今から約1,400年前(推古元年)に信仰の山として開かれたと伝わっており、山のふもとは参拝者がたくさん来てにぎわってきました。この山の雪どけ水は、岩や土の中を400年かけてしみぬけて「月山山麓湧水群」として湧き出でており、多くの参拝者に飲まれてきました。

水質としては炭酸ガス、酸素、ミネラルなどを含み、中性かつ軟水で、一年を通して5℃の水温に保たれています。

使い方としては、水道水として利用されているほか、付近には月山のミネラルウォーターをつくる会社があって、この水が地元の特産物になっています。

月山山麓湧水群

名水百選選抜総選挙

月山自然水としておいしさが素晴らしい名水部門 第4位 景観が素晴らしい名水部門 エントリー

種類

湧水

所在地・アクセス

山形県西村山郡西川町

水質データ

※以下の水質データの数値は公開時(2016年)の当サイト調査値で、一次資料の再確認を順次進めています。

水温 10.0℃
硬度(mg/L) 13.5(軟水)
水素イオン濃度(pH) 6.4
電気伝導度(EC) 59.7
塩化物イオン(Cl–) 4.1
硝酸イオン(NO3–) 0.3
硫酸イオン(SO42-) 2.8
重炭酸イオン(HCO3–) 18.3
ナトリウムイオン(Na+) 3.9
カリウムイオン(K+) 4.2
マグネシウムイオン(Mg2+) 1.1
カルシウムイオン(Ca2+) 3.6
二酸化ケイ素(SiO2) 56.9

通販で購入できるおすすめ品

月山自然水

月山自然水は、ミネラルを適度に含んだ軟水で、そのクリアでマイルドな水質はご飲用はもちろんのことお茶やコーヒー用としても、それぞれの味を引き立たせます。

万年雪に覆われ、豊かなブナの森に囲まれている霊峰月山のおいしい湧き水をセラミックフィルターでろ過し、さらにクリーンブースで無菌パックした自然のままの名水です。

小見川

読みがな:おみがわ。

「小見川」の湧き水は、山形県東根(ひがしね)市にあります。

昔は、この地域で地面を10cm掘ればすぐ水がわき出したと言われ、飲み水としてはもちろん、食器や野菜をあらったり、洗濯をするなどあらゆる目的で利用されてきました。

一年を通して水温の差が小さいため(夏は約13℃前後で、冬は約11℃前後)、手でさわると夏はつめたく、冬はあたたかく感じる特徴があります。また、この地区を流れる小見川には清流にしか存在しない小魚「イバラトミヨ」が泳ぐなど、とても澄んでいます。

近ごろでは地区の人々が、きれいな小見川の自然を子孫の代に残そうと、水辺の清掃などを行っています。

小見川

種類

湧水

所在地・アクセス

山形県東根市

水質データ

水温 15.0℃
硬度(mg/L) 48.5(軟水)
水素イオン濃度(pH) 6.0
電気伝導度(EC) 153.8
塩化物イオン(Cl–) 6.9
硝酸イオン(NO3–) 11.7
硫酸イオン(SO42-) 22.6
重炭酸イオン(HCO3–) 30.5
ナトリウムイオン(Na+) 7.2
カリウムイオン(K+) 3.2
マグネシウムイオン(Mg2+) 3.3
カルシウムイオン(Ca2+) 14.0
二酸化ケイ素(SiO2) 117.9

平成の名水百選

立谷沢川

読みがな:たちやざわがわ。

「立谷沢川」は、山形県のほぼ中央の月山に湧く水を源流としています。

秋になるとアユやサケ、サクラマス、イワナ、モズクガニなどが姿をみせるために、つり人たちの人気をあつめてきました。このように、立谷沢川の水はめずらしい生き物や豊かな食べ物、おいしい飲み水をはぐくんでいます。

また、立谷沢川と人とのつながりの歴史は古く、最上川(もがみがわ)との合流地点では、かつて最上川の水上交通(すいじょうこうつう)を利用して羽黒山(はぐろさん)へ参拝する人が乗り降りした場所でした。

かつて源義経(みなもとのよしつね)や松尾芭蕉(まつおばしょう)も来て、幕末の武士である清河八郎(きよかわはちろう)もこの地から旅立っていったとされています。

立谷沢川

名水百選選抜総選挙

景観が素晴らしい名水部門 エントリー

種類

河川

所在地・アクセス

山形県東田川郡庄内町

水質データ

水温 28.2℃
硬度(mg/L) 53.3(軟水)
水素イオン濃度(pH) 8.3
電気伝導度(EC) 166.7
塩化物イオン(Cl–) 7.9
硝酸イオン(NO3–) 0.2
硫酸イオン(SO42-) 29.1
重炭酸イオン(HCO3–) 38.4
ナトリウムイオン(Na+) 7.2
カリウムイオン(K+) 0.7
マグネシウムイオン(Mg2+) 3.2
カルシウムイオン(Ca2+) 16.2
二酸化ケイ素(SiO2) 不明

山形県の名水百選マップ

各名水の位置は記事冒頭の分布図にまとめています。下の Google マイマップ(外部サービス)では、地図を拡大・移動して見られます。

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近隣の名水もあわせてご覧ください

月山の湧水でつくるビール

西川町の月山ビールは、商品説明に「月山に降り積もった雪が融け、数百年ともいわれる長い長い年月をかけて研かれた湧水」を使っていると記されています。月山山麓湧水群は西川町の名水百選です。

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ご家庭の水を見直すときは

この地域の名水はいずれも軟水でした。毎日飲む水にも同じやわらかさを求めるなら、次の記事もあわせてご覧ください。

※環境省の名水百選ポータルには「選定された名水は飲用に適することを保証するものではありませんので、飲用に供される場合は、その名水が所在する自治体にご確認ください」との注意が掲載されています(環境省 名水百選ポータル・2026年8月9日確認)。

出典

一次資料(政府機関・公的機関の公表資料および査読論文)

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