歴史と伝統がある【和歌山県の名水】5カ所をご紹介~名水百選より~

歴史と伝統がある【和歌山県の名水】5カ所をご紹介~名水百選より~

みかんの産地としても有名な地、和歌山県。

高野山や熊野三山などの観光地でしられるこの地に、今日まで清らかな水がわきだしてきました。

今回ご紹介するのは、熊野詣のとちゅうにある杉の下からわく「野中の清水(のなかのしみず)」、いにしえの旅人がのどをうるおした「紀三井寺の三井水(きみいでらのさんせいすい)」、世界文化遺産に認定された水の上の参詣道「熊野川(川の古道)(くまのがわ・かわのこどう)」、古くから多くの人にあがめられてきた「那智滝(なちのたき)」、かわった形の岩と清流がおりなす地「古座川(こざがわ)」の5つです。

以下の文章では、昭和・平成あわせて計5カ所の紀伊の名水について順にご紹介していきます。

目次

昭和の名水百選

野中の清水

読みがな:のなかのしみず。

「野中の清水」は紀伊半島の南西部にあり、日置川(ひきがわ)の源流の一つです。

昔から、熊野詣の古道の途中で、名木「野中の一方杉(のなかのいっぽうすぎ)」のしげる地の直下にあり、旅人がこの湧水を題材にして、たくさんの歌や句を残しています。

この湧水は野中坂巻山のふもとと頂上の中間にあり、古くからどんなに雨が降らなくとも水がこんこんと湧き出てきました。このような貴重な水は、地域住民の飲み水、生活用水に利用されています。

また、地元住民が清掃活動を行っていて、清水の保全と環境整備に力が入れられています。

野中の清水

種類

湧水

所在地・アクセス

和歌山県田辺市

水質データ

水温 15.4℃
硬度(mg/L) 20.0(軟水)
水素イオン濃度(pH) 6.0
電気伝導度(EC) 82.5
塩化物イオン(Cl 2.4
硝酸イオン(NO3 0.4
硫酸イオン(SO42- 12.3
重炭酸イオン(HCO3 19.2
ナトリウムイオン(Na+ 4.8
カリウムイオン(K+ 1.1
マグネシウムイオン(Mg2+ 1.6
カルシウムイオン(Ca2+ 5.4
二酸化ケイ素(SiO2 14.9

紀三井寺の三井水

読みがな:きみいでらのさんせいすい。

「紀伊寺の三井水」は和歌山県の北西部、和歌山市内の旧熊野街道ぞいに位置し、いにしえの旅人がのどをうるおした場所です。

この湧水は、三つの井戸からなり、紀伊三井寺の名はこれにちなんで付けられたといわれています。

三つの井戸とは、参道の長い石段のとちゅうの井戸から流れる「清浄水(しょうじょうすい)」、土砂でうもれたものを地元の自治会が復旧させた「吉祥水(きっしょうすい)」、病によいとしてありがたがられ整備工事によって復活した「楊柳水(ようりゅうすい)」のことです。

清浄水と吉祥水は、市民がお茶の水として利用しています。

紀三井寺の三井水

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種類

湧水

所在地・アクセス

和歌山県和歌山市

水質データ

水温 16.4℃
硬度(mg/L) 98.6(中硬水)
水素イオン濃度(pH) 7.0
電気伝導度(EC) 260.0
塩化物イオン(Cl 11.9
硝酸イオン(NO3 2.8
硫酸イオン(SO42- 20.9
重炭酸イオン(HCO3 92.8
ナトリウムイオン(Na+ 9.8
カリウムイオン(K+ 1.1
マグネシウムイオン(Mg2+ 9.0
カルシウムイオン(Ca2+ 24.7
二酸化ケイ素(SiO2 19.1

平成の名水百選

熊野川(川の古道)

読みがな:くまのがわ(かわのこどう)。

「熊野川」は大峰山脈(おおみねさんみゃく)を源流とし、熊野灘(くまのなだ)まで流れる延長183kmの川です。

川であるのに「古道」とよばれているのは、この川が「熊野三山(くまのさんざん)」へ行くときの重要な参詣道(さんけいどう)だったことからです。

江戸時代から昭和初期には、周辺で生産された木材や木炭などが筏(いかだ)や船に乗って川を下りました。

今では、3~11月に観光川下りが運航しています。川舟センターから新宮市の熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)まで約16kmを下りながら、当時の情緒を楽しむことができます。

熊野川(川の古道)

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種類

河川

所在地・アクセス

和歌山県新宮市

水質データ

水温 不明
硬度(mg/L) 不明
水素イオン濃度(pH) 不明
電気伝導度(EC) 不明
塩化物イオン(Cl 不明
硝酸イオン(NO3 不明
硫酸イオン(SO42- 不明
重炭酸イオン(HCO3 不明
ナトリウムイオン(Na+ 不明
カリウムイオン(K+ 不明
マグネシウムイオン(Mg2+ 不明
カルシウムイオン(Ca2+ 不明
二酸化ケイ素(SiO2 不明

那智滝

読みがな:なちのたき。

那智川にかかる「那智の滝」は、栃木県の華厳(けごん)の滝、茨城県の袋田(ふくろだ)の滝とともに日本三名瀑(にほんさんめいばく)にかぞえられています。

那智の滝は2004(平成16年)に一帯の寺社とともに「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産にも登録されました。幅13mの滝の口の岩盤にある切れ目から3つにわかれて流れるため、「三筋の滝」ともよばれています。

また、古くから飛沫(しぶき)にあたると長生きできると伝えられ、観光客がたえまなく訪れる熊野地方の代表的な景勝地になっています。

那智滝

種類

河川

所在地・アクセス

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町

水質データ

水温 13.6℃
硬度(mg/L) 12.1(軟水)
水素イオン濃度(pH) 6.6
電気伝導度(EC) 52.6
塩化物イオン(Cl 5.0
硝酸イオン(NO3 1.4
硫酸イオン(SO42- 4.5
重炭酸イオン(HCO3 15.2
ナトリウムイオン(Na+ 3.5
カリウムイオン(K+ 0.2
マグネシウムイオン(Mg2+ 1.2
カルシウムイオン(Ca2+ 2.9
二酸化ケイ素(SiO2 10.1

古座川

読みがな:こざがわ。

「古座川」は紀伊半島南端にある最高峰の大塔山(おおとうざん)に源を発しています。これは二級河川で、東牟婁郡(ひがしむろぐん)古座川町と串本町(くしもとちょう)を流れています。

流域には一枚岩(いちまいいわ)、虫喰岩(むしくいいわ)、少女峰(しょうじょほう)、牡丹岩、天柱岩(てんちゅうがん)のようなめずらしい形をした岩や峰がつらなり、独特の景観を保っています。

雄大な流れと美しい景色がすばらしく、川底までくっきりと見えるほど透明度が高い全国屈指の清流です。また、漁業では、伝統的なアユの火振り漁(ひぶりりょう)やトントン釣りという方法が伝わっています。

古座川

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景観が素晴らしい名水部門 エントリー
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種類

河川

所在地・アクセス

和歌山県東牟婁郡古座川町・串本町

水質データ

水温 不明
硬度(mg/L) 不明
水素イオン濃度(pH) 不明
電気伝導度(EC) 不明
塩化物イオン(Cl 不明
硝酸イオン(NO3 不明
硫酸イオン(SO42- 不明
重炭酸イオン(HCO3 不明
ナトリウムイオン(Na+ 不明
カリウムイオン(K+ 不明
マグネシウムイオン(Mg2+ 不明
カルシウムイオン(Ca2+ 不明
二酸化ケイ素(SiO2 不明

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