茶の湯にも使われる【大阪府の名水】1カ所をご紹介~名水百選より~
西日本の経済・文化・交通の中心地、大阪府。
今回ご紹介するのは、「離宮の水」の1カ所です。離宮の水のある三島郡島本町(みしまぐんしまもとちょう)は、町全体の7割ちかくが山岳(さんがく)・丘陵(きゅうりょう)地帯でしめる自然豊かな地域です。
ここは古くから景色が美しいことで知られ、多くの和歌によまれるほど魅力ある地でした。また、昔は九州へつづく道が通っていることで、交通の要所として繫栄(はんえい)してきた歴史ある場所でもありました。この水無瀬(みなせ)神宮とよばれる神社の一角からながれる水が本地下水です。
以下の文章では、そうした歴史ある地でうまれた大阪府の1カ所の名水についてご紹介していきます。
目次
昭和の名水百選
離宮の水
読みがな:りきゅうのみず。
「離宮の水」は大阪府の北東部、京都府との境にあります。
本地下水のある水無瀬(みなせ)神宮は、鎌倉時代に起こった承久(じょうきゅう)の乱の首謀者とされた後鳥羽、土御門(つちみかど)、順徳の三上皇をまつる神宮です。
この神宮は、かつて上皇に仕えた水無瀬信成・親成親子が上皇御造営の水無瀬離宮のあとに御影堂(みえいどう)をもうけたのが始まりだとされています。
この水無瀬神宮に離宮の水といわれる井戸水があり、かつては神社にそなえる時にだけ用いられた神聖な水でしたが、茶道の歴史が始まるとともに茶の湯としても利用され、現在でも書道や茶道などに利用されています。
種類
地下水
所在地・アクセス
大阪府三島郡島本町
- 名神高速道路「大山崎IC」から「水無瀬神宮」まで車で約6分(3.3km)。
水質データ
水温 | 23.8℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 61.1(中硬水) |
水素イオン濃度(pH) | 5.8 |
電気伝導度(EC) | 194.0 |
塩化物イオン(Cl–) | 10.3 |
硝酸イオン(NO3–) | 3.5 |
硫酸イオン(SO42-) | 22.3 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 56.1 |
ナトリウムイオン(Na+) | 11.1 |
カリウムイオン(K+) | 5.0 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 3.7 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 18.4 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 20.8 |