文化的に価値の高い【宮城県の名水】2カ所をご紹介~名水百選より~
東北地方でも米どころとして知られる、宮城県。
県の北部にある栗原市は田んぼが大きく広がっており、奥羽山脈(おううさんみゃく)の一部である栗駒山(くりこまやま)などの自然が豊かな地域です。また、中央部に位置する仙台市は人口が100万人を超える東北地方で最大の都市です。しかし、市街地は「杜(もり)の都」と呼ばれるほど緑豊かな環境に恵まれています。
今回ご紹介するのは、カツラの木の近くに湧いていることから名づけられた「桂葉清水(かつらはしみず)」、大都市の中の水辺として市民に親しまれてきた「広瀬川」の2カ所です。
以下の文章では、昔から多くの人に親しまれてきた文化的に価値の高い宮城県の2カ所の名水について順を追ってご紹介していきます。
目次
昭和の名水百選
桂葉清水
読みがな:かつらはしみず。
「桂葉清水」は宮城県北部の栗原市にあります。名前の由来は、発見された時にカツラの大木の近くに湧いている泉があって、そのまま「桂葉清水」と名づけられたと言われています。この清水は古くから人と水とのかかわりが深く、故郷を離れた多くの人たちが歌や詩に書き残しています。
清水は発見当時から今日まで、日照りが長く続いた年にもかれることなく水が湧いており、住民の生活用水としてだいじにされてきました。
明治時代には、桂葉清水が天皇陛下に献上(けんじょう)する水になったほど格式が高いもので、現在では酒をつくるのに使われたり、家庭のお茶などにも利用されています。
種類
湧水
所在地・アクセス
宮城県栗原市
- 東北自動車道「築館IC」から「桂葉清水」まで車で約10分(5.9km)。
水質データ
水温 | 14.0℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 89.0(中硬水) |
水素イオン濃度(pH) | 6.2 |
電気伝導度(EC) | 329.8 |
塩化物イオン(Cl–) | 21.1 |
硝酸イオン(NO3–) | 34.2 |
硫酸イオン(SO42-) | 31.8 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 68.3 |
ナトリウムイオン(Na+) | 21.8 |
カリウムイオン(K+) | 6.7 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 6.9 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 24.3 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 278.0 |
広瀬川
読みがな:ひろせがわ。
「広瀬川」は、宮城県の県庁所在地である仙台市の市街地を流れている川です。古くから、いこいの場として市民のかけがえのない財産になってきました。
「広瀬川」の由来は、歩いても向かいがわに渡れるほど浅い川底であることから名づけられたと言われています。カジカガエルが鳴き、アユが踊り、野鳥が多い広瀬川を、仙台出身の詩人である土井晩翠(どいばんすい)はたくさんの歌に残しており、小説家の魯迅(ろじん)もふるさとへの思いを胸に川のほとりを散策していました。
今でも市内の小・中・高校の校歌に歌われているほど、都市の中のきよらかな水辺とされています。
名水百選選抜総選挙
- 景観が素晴らしい名水部門 エントリー
種類
河川
所在地・アクセス
宮城県仙台市
- 東北自動車道「仙台宮城IC」から「西公園」まで車で約6分(4.8km)。
水質データ
水温 | 18.4℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 36.2(軟水) |
水素イオン濃度(pH) | 6.9 |
電気伝導度(EC) | 161.3 |
塩化物イオン(Cl–) | 6.6 |
硝酸イオン(NO3–) | 1.6 |
硫酸イオン(SO42-) | 31.7 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 14.0 |
ナトリウムイオン(Na+) | 8.8 |
カリウムイオン(K+) | 1.4 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 2.2 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 10.9 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 91.8 |
宮城県の名水百選マップ
- (上側)桂葉清水
- (下側)広瀬川