琉球の自然が育んだ【沖縄県の名水】2カ所をご紹介~名水百選より~
琉球列島を県域とする地、沖縄県。
沖縄県は日本でもっとも西にある県として知られ、人が居住する最南端の地域としても知られています。気候はほとんどが亜熱帯とされ、日本の中でも温暖な気候であり、最高気温と最低気温の差も小さいです。
今回の名水の舞台は、沖縄県の南部に位置する南城市と、日本で最も人口密度が高い村として知られる中頭郡北中城村の2カ所です。1つ目は、女の泉と男の泉がある「垣花樋川(かきのはなひーじゃー)」、2つ目は、戦前は村の飲料水や生活用水に利用されていた「荻道・大城湧水群(おぎどう・おおぐすくゆうすいぐん)」です。
以下の文章では、琉球の厳選された名水について順に説明していきます。
目次
昭和の名水百選
垣花樋川
読みがな:かきのはなひーじゃー。
「垣花樋川」は垣花城跡の東方、垣花集落の東のはずれにあります。細い石畳の道を100mほどさがったところで、太平洋を一望できる斜面の広場があります。
樋川は上手と下手の二カ所からなり、上側が女の泉(イナグヌガー)、下側が男の泉(イキガヌガー)とよばれています。さらにその下には小さな浅い水たまりがあり、馬浴川(うまあみしがー)といわれています。一日の農耕を終えた村人が、この水で馬に水浴びをさせたり、クワを洗ったりしたそうです。
水は集落の簡易水道水源、農業用水として利用されており、水源の保全・管理は地元の自治会が定期的に行っています。
種類
湧水
所在地・アクセス
沖縄県南城市
- 那覇空港自動車道「南風原北IC」から「垣花樋川」まで車で約24分(11.2km)。
水質データ
水温 | 22.0℃ |
---|---|
硬度(mg/L) | 251.7(超硬水) |
水素イオン濃度(pH) | 7.4 |
電気伝導度(EC) | 534.0 |
塩化物イオン(Cl–) | 41.6 |
硝酸イオン(NO3–) | 10.4 |
硫酸イオン(SO42-) | 20.1 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 294.0 |
ナトリウムイオン(Na+) | 20.1 |
カリウムイオン(K+) | 1.6 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 5.4 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 91.9 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 6.7 |
平成の名水百選
荻道・大城湧水群
読みがな:おぎどう・おおぐすくゆうすいぐん。
「荻道・大城湧水群」のある北中城村(きたなかぐすくそん)は沖縄本島の中部地区に位置しており、県庁所在地である那覇市から北東に16kmのところにあります。
本湧水群は、10カ所に散らばっており、戦前は地域の飲料水や生活用水として利用されていました。しかし、上水道の普及によっておもに農業用水や緑化木、草花の散水に利用されています。
保全活動については、昔は行政が環境基盤をととのえ住民がボランティアで管理するという形をとっていましたが、現在では住民が率先して湧水もふくめ周辺の美化作業を毎日欠かさず行っています。
種類
湧水
所在地・アクセス
沖縄県中頭郡北中城村
- 沖縄自動車道「北中城IC」から「荻道大城湧水群」まで車で約1時間25分(57.4km)。
水質データ
水温 | 不明 |
---|---|
硬度(mg/L) | 不明 |
水素イオン濃度(pH) | 不明 |
電気伝導度(EC) | 不明 |
塩化物イオン(Cl–) | 不明 |
硝酸イオン(NO3–) | 不明 |
硫酸イオン(SO42-) | 不明 |
重炭酸イオン(HCO3–) | 不明 |
ナトリウムイオン(Na+) | 不明 |
カリウムイオン(K+) | 不明 |
マグネシウムイオン(Mg2+) | 不明 |
カルシウムイオン(Ca2+) | 不明 |
二酸化ケイ素(SiO2) | 不明 |
沖縄県の名水百選マップ
- (上側)荻道・大城湧水群
- (下側)垣花樋川