照葉樹林がつくった【宮崎県の名水】3カ所をご紹介~名水百選より~

照葉樹林がつくった【宮崎県の名水】3カ所をご紹介~名水百選より~

フェニックスの木に代表される地、宮崎県。

この県は南国の情緒あふれる自然環境にめぐまれた地として多くの人々に知られています。この地は太平洋に面しており、基本的にどの地域も比較的温暖で、日照時間が長い傾向がみられます。また、降水量が多いのも特徴的ですが、山地をのぞいて降雪はあまりみられません。

今回は、ホタルの生育環境として最適な「出の山湧水(いでのやまゆうすい)」、照葉樹林に涵養された清水として有名な「綾川湧水群(あやかわゆうすいぐん)」、九州島発祥の地にわく四億年のしずく「妙見神水(みょうけんしんすい)」の3カ所です。

以下の文章では、九州山地が育んだ宮崎県のすばらしい名水について順に説明していきます。

目次

昭和の名水百選

出の山湧水

読みがな:いでのやまゆうすい。

「出の山湧水」は霧島山系の湧水群の一つで、小林市(こばやしし)中心部から南西に約4kmの出の山公園内にあります。湧水量が多く、水質も良好です。

湧水は農業用水や上水道に利用されているほか、豊富な湧水量を活用して県の水産試験場小林分場が設置されています。ここでは、ニジマスやアユの養殖を主体とする自然研究のほか、チョウザメを自然の池へ放流し、国産初のキャビアの醸造に期待がかけられています。

また、出の山池から流れる小川にはカニワナが多く生息し、ホタルの繁殖に適しています。よって、市やゲンジボタル自然保護会が、ホタルの生育環境を守るために努力しています。

出の山湧水

種類

湧水

所在地・アクセス

宮崎県小林市

水質データ

水温 17.6℃
硬度(mg/L) 65.5(中硬水)
水素イオン濃度(pH) 6.3
電気伝導度(EC) 177.0
塩化物イオン(Cl 6.8
硝酸イオン(NO3 7.1
硫酸イオン(SO42- 14.0
重炭酸イオン(HCO3 79.3
ナトリウムイオン(Na+ 8.6
カリウムイオン(K+ 2.9
マグネシウムイオン(Mg2+ 6.9
カルシウムイオン(Ca2+ 14.9
二酸化ケイ素(SiO2 60.4

綾川湧水群

読みがな:あやがわゆうすいぐん。

宮崎市の西方約20km、東諸県郡綾町(ひがしもろかたぐんあやちょう)には九州中央山地国定公園内に指定された照葉樹林があり、林の中には多くの湧水が湧き出ています。

この照葉樹林に涵養された清水で育ったアユは「黄金の鮎」とよばれ、昔は島津の殿様に献上する鮎やながあり、鮎奉行も設置されていました。

また、昔、川の中に阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)がかくされており、その水をのむと極楽浄土に行けると言い伝えられており、今でも水をくみに来る人が多いです。今では、この像が綾南川の上流にある川中神社に安置され、県の重要文化財などに指定されています。

綾川湧水群

種類

河川

所在地・アクセス

宮崎県東諸県郡綾町

水質データ

水温 11.0℃
硬度(mg/L) 13.0(軟水)
水素イオン濃度(pH) 6.8
電気伝導度(EC) 48.0
塩化物イオン(Cl 2.6
硝酸イオン(NO3 1.1
硫酸イオン(SO42- 4.1
重炭酸イオン(HCO3 13.1
ナトリウムイオン(Na+ 2.8
カリウムイオン(K+ 0.3
マグネシウムイオン(Mg2+ 1.1
カルシウムイオン(Ca2+ 3.4
二酸化ケイ素(SiO2 13.0

平成の名水百選

妙見神水

読みがな:みょうけんしんすい。

宮崎県五ヶ瀬町(ごかせちょう)鞍岡にある祇園山の石灰岩層洞窟から、妙見神社の一角に湧きだしている湧水は「4億年の雫 妙見神水(みょうけんしんすい)」とよばれてきました。古くから「授乳の神水」ともいわれています。

秋にはもみじなどの紅葉の眺めが美しく、白い滝となって流れ落ちる湧水と紅葉の景観は人々の安らぎの場となっています。また、日陰(ひぞえ)地区の水田は、「日本の棚田百選」にも選ばれています。

そのため、この景観をまもろうと、地元の「日陰土地改良区」を中心に地元住民の活動も積極的に行われ、人々から「妙見さんの水」として親しまれています。

妙見神水

種類

湧水

所在地・アクセス

宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町

水質データ

水温 不明
硬度(mg/L) 不明
水素イオン濃度(pH) 不明
電気伝導度(EC) 不明
塩化物イオン(Cl 不明
硝酸イオン(NO3 不明
硫酸イオン(SO42- 不明
重炭酸イオン(HCO3 不明
ナトリウムイオン(Na+ 不明
カリウムイオン(K+ 不明
マグネシウムイオン(Mg2+ 不明
カルシウムイオン(Ca2+ 不明
二酸化ケイ素(SiO2 不明

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日向天照水

今から4億3千万年前(地質調査によって、日本最古の山であることがわかった)に九州で最初に顔を出したと言われるのが五ヶ瀬町祇園山で、サンゴや貝の化石等からなる石灰岩層で形成されております。

そのサンゴや貝のフィルターを通ることにより水の分子は小さくされ、さらに貝やサンゴに含まれるミネラル分を吸収していきます。

日向天照水はそんな環境の中で清冽された水を採水しております。

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