心の故郷が育んだ【三重県の名水】3カ所をご紹介~名水百選より~
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歴史・文化の景観にめぐまれた地、三重県。
三重県は、伊勢神宮や熊野古道など「日本人の心のふるさと」とも呼べるスポットが点在し、俳人の松尾芭蕉や国学者の本居宣長(もとおりのりなが)がうまれた文化的な地でもあります。
今回は、コイがすむことで復活した「智積養水(ちしゃくようすい)」、真珠王の御木本幸吉(みきもとこうきち)が一人でも多くの人が参拝できるよう願った「恵利原の水穴(天の岩戸)(えりはらのみずあな・あまのいわと)」、緑あふれる渓谷に数々の滝が散らばる「赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)」の3カ所です。
以下の文章では、三重県の優れた名水を順にご紹介していきます。
昭和の名水百選
智積養水
読みがな:ちしゃくようすい。
「智積養水」は、四日市市の西部に位置し、東名阪自動車道の四日市インターチェンジのすぐ近くにあります。
これは上流の菰野町(こものちょう)から湧き出る水です。かつてはここで米をといだり、野菜や茶わんをあらうなど生活用水として利用されていたので「養水」と名づけられ、大切に保全されてきました。
そして、時の流れとともにいつしか忘れさられつつありましたが、近年「地域を美しくしよう」という運動で、智積町および桜町子供会が本湧水にコイをはなち、「コイが住む町」としてすっかり有名になりました。このことが、子どもたちの水質保全にたいする意識づけを高めるといった環境教育にも役立っています。

種類
用水所在地・アクセス
三重県四日市市- ・東名阪自動車道「四日市IC」から「智積養水」まで車で約3分(1.0km)。
水質データ
※以下の水質データの数値は公開時(2016年)の当サイト調査値で、一次資料の再確認を順次進めています。
| 水温 | 19.2℃ |
|---|---|
| 硬度(mg/L) | 37.4(軟水) |
| 水素イオン濃度(pH) | 6.0 |
| 電気伝導度(EC) | 127.0 |
| 塩化物イオン(Cl–) | 5.4 |
| 硝酸イオン(NO3–) | 8.5 |
| 硫酸イオン(SO42-) | 12.3 |
| 重炭酸イオン(HCO3–) | 30.7 |
| ナトリウムイオン(Na+) | 6.0 |
| カリウムイオン(K+) | 2.0 |
| マグネシウムイオン(Mg2+) | 1.7 |
| カルシウムイオン(Ca2+) | 12.2 |
| 二酸化ケイ素(SiO2) | 90.5 |
恵利原の水穴(天の岩戸)
読みがな:えりはらのみずあな(あまのいわと)。
「恵利原の水穴(天の岩戸)」は志摩半島の中央、逢坂山(おうさかやま)の山頂とふもととの中間にあります。
本湧水は、天の岩戸とよばれる石灰岩の洞窟から湧き出る清水で、四季を通じて流れる水の量がほぼ一定だとされてきました。
大正時代、真珠王として知られた御木本幸吉(みきもとこうきち)がここを参拝し、この地を一人でも多くの人が参拝できるようにと、恵利原(えりはら)地区の青年をよびあつめて参道を改修しました。以後、この「天の岩戸」の名が広まり、現在でもこの参道は多くの人によって利用されています。
清掃活動などは、地元の恵利原老人会が行っています。

名水百選選抜総選挙
秘境として素晴らしい名水部門 第4位種類
湧水所在地・アクセス
三重県志摩市- ・伊勢自動車道「伊勢西IC」から「恵利原の水穴」まで車で約14分(10.4km)。
水質データ
| 水温 | 14.9℃ |
|---|---|
| 硬度(mg/L) | 87.8(中硬水) |
| 水素イオン濃度(pH) | 6.8 |
| 電気伝導度(EC) | 215.0 |
| 塩化物イオン(Cl–) | 5.9 |
| 硝酸イオン(NO3–) | 1.2 |
| 硫酸イオン(SO42-) | 3.4 |
| 重炭酸イオン(HCO3–) | 98.6 |
| ナトリウムイオン(Na+) | 5.6 |
| カリウムイオン(K+) | 1.4 |
| マグネシウムイオン(Mg2+) | 1.8 |
| カルシウムイオン(Ca2+) | 32.2 |
| 二酸化ケイ素(SiO2) | 11.0 |
平成の名水百選
赤目四十八滝
読みがな:あかめしじゅうはちたき。
「赤目四十八滝」は三重県から奈良県にまたがる室生赤目青山国定公園(むろうあかめあおやまこくていこうえん)内に位置し、名張市赤目町を流れる滝川の上流にあります。
国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオが生息するほか、さまざまな植物が育ち、渓谷の美しい景観を生みだしています。
滝の名の「赤目」は不動明王が赤目の牛になってあらわれたことで、「四十八」は実際に48以上の滝があって数が多いことでつけられています。
渓谷には滝をむすぶように遊歩道が整備され、春夏秋冬の美しい景色が楽しめ、特に秋の紅葉をみるために多くの人がここに訪れています。

名水百選選抜総選挙
観光地として素晴らしい名水部門 エントリー 景観が素晴らしい名水部門 エントリー種類
河川所在地・アクセス
三重県名張市- ・伊勢自動車道「一志嬉野IC」から「赤目四十八滝」まで車で約1時間13分(53.1km)。
水質データ
| 水温 | 19.6℃ |
|---|---|
| 硬度(mg/L) | 5.6(軟水) |
| 水素イオン濃度(pH) | 7.7 |
| 電気伝導度(EC) | 32.7 |
| 塩化物イオン(Cl–) | 2.9 |
| 硝酸イオン(NO3–) | 1.9 |
| 硫酸イオン(SO42-) | 2.7 |
| 重炭酸イオン(HCO3–) | 7.9 |
| ナトリウムイオン(Na+) | 3.4 |
| カリウムイオン(K+) | 1.3 |
| マグネシウムイオン(Mg2+) | 0.4 |
| カルシウムイオン(Ca2+) | 1.6 |
| 二酸化ケイ素(SiO2) | 不明 |
三重県の名水百選マップ
- ・(左)赤目四十八滝
- ・(上)智積養水
- ・(右下)恵利原の水穴(天の岩戸)
近隣の名水もあわせてご覧ください
- ・琵琶湖の地が生んだ【滋賀県の名水】6カ所をご紹介~名水百選より~
- ・古都の地に湧いた【京都府の名水】5カ所をご紹介~名水百選より~
- ・多くの人が親しんだ【愛知県の名水】3カ所をご紹介~名水百選より~
- ・景観が美しい地の【岐阜県の名水】7カ所をご紹介~名水百選より~
赤目四十八滝の伏流水でつくられた酒
赤目四十八滝の水は、地下にしみて麓へ流れます。滝のふもとの蔵は、その伏流水を仕込み水にしていると公表しています。
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用水路の水と、飲む水
智積養水はもともと生活と農業のために引かれた水で、地域の手で守られてきました。飲む水を家庭でどう用意するかは、宅配と浄水型で費用の出方が変わります。
※環境省の名水百選ポータルには「選定された名水は飲用に適することを保証するものではありませんので、飲用に供される場合は、その名水が所在する自治体にご確認ください」との注意が掲載されています(環境省 名水百選ポータル・2026年8月9日確認)。
出典
一次資料(政府機関・公的機関の公表資料および査読論文)
- ・環境省|名水百選(昭和60年選定)一覧|智積養水・恵利原の水穴の選定|確認日2026-08-30
- ・環境省|平成の名水百選 一覧|赤目四十八滝の選定|確認日2026-08-30
- ・環境省|智積養水 詳細|鯉の放流・養水の由来|確認日2026-08-30
- ・環境省|名水百選選抜総選挙|秘境部門第4位ほか|確認日2026-08-30