イタリア国土の輪郭シルエットを重ねた、サンペレグリノ・テルメを流れるブレンボ川と遊歩道の並木、対岸の町並みと山の写真(サンペレグリノの記事のアイキャッチ)

硬度638mg/Lの炭酸水【世界の名水】サンペレグリノ〜イタリア〜

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緑のボトルに赤い星のラベル——イタリアンレストランのテーブルでおなじみの「サンペレグリノ」は、北イタリアの山あいの町に湧く水から生まれた炭酸入りミネラルウォーターです。この記事では、サンペレグリノの正規輸入元である日仏貿易のブランドページに記載されている情報だけを出所として、サンペレグリノの水源と水質、そして125年を超える歴史を整理します。

先に結論です。サンペレグリノの採水地は「北イタリアのロンバルディア州にある自然豊かな『サンペレグリノテルメ』」。標高1,200〜1,300メートルの山々に降った雪どけ水や雨水が、約30年という長い時間をかけて地層を旅しながらミネラルを蓄えた、硬度638mg/Lの硬水です(日仏貿易=サンペレグリノ正規輸入元・2026年8月調査)。ブランドとしては1899年の設立以来、世界中で親しまれてきました。

サンペレグリノ(イタリア)とは:温泉地テルメに湧く硬水

サンペレグリノの採水地について、正規輸入元のブランドページは「北イタリアのロンバルディア州にある自然豊かな『サンペレグリノテルメ』」と説明しています(日仏貿易=サンペレグリノ正規輸入元・2026年8月調査)。ロンバルディア州はイタリア北部の州で、サンペレグリノテルメはその山あいに位置する町です。町の名前に含まれる「テルメ」はイタリア語で温泉を意味する言葉で、この土地が古くから水と深く結びついてきたことが地名からもうかがえます。

サンペレグリノは炭酸入りのミネラルウォーターとして販売されており、日本でもレストランや輸入食品店、通販で広く手に入ります。きめ細かな泡と、硬度638mg/Lというしっかりしたミネラル感の組み合わせが、このブランドの個性です。

ヨーロッパには、食事の席で炭酸入りの水を選ぶ文化が広く根づいています。レストランで水を頼むと「ガス入りか、ガスなしか」と聞かれるのはその表れで、サンペレグリノはその「ガス入り」の選択肢としてよく知られた銘柄のひとつです。日本でもイタリア料理店を中心に見かける機会が多く、今ではスーパーや通販でも手軽に買えるようになっています。なお炭酸入りの水は開栓後に泡が抜けていくため、飲み切りやすい500mlサイズは食卓で扱いやすい容量と言えます。

そしてもうひとつの見どころが歴史です。ブランドページには「1899年に設立されて以来、125年にわたり世界中で親しまれている」とあります。19世紀の終わりに生まれた水のブランドが、1世紀以上を経た今も世界のテーブルに並び続けている——名水の物語としても、じゅうぶんに読みごたえのある一本です。

ブランドが1世紀以上続くということは、その間ずっと同じ土地の水が汲まれ続けてきたということでもあります。工業製品なら設計を変えられますが、ミネラルウォーターの味の設計図は土地そのものです。125年前の人々と現代の私たちが、同じ山々を旅してきた水を飲んでいる——そう考えると、1899年という設立年は単なる歴史の数字ではなく、水源とともにあった時間の長さを物語る情報として読むことができます。

ブレンボ川の堰と、鐘楼が立つサンペレグリノ・テルメの町並み
採水地サンペレグリノ・テルメの町並みと、町を流れるブレンボ川。写真:Guerinf(Wikimedia Commons)/CC0

サンペレグリノの水質データ:硬度638mg/Lの硬水

正規輸入元のブランドページに記載されている情報を表1にまとめます。

※表中の硬度638mg/Lは、日本の正規輸入元ページの記載にもとづく値です。公的機関の公表資料および査読論文での一次資料の再確認を進めています(2026年9月3日時点で未確認)。

項目記載内容
採水地北イタリア・ロンバルディア州「サンペレグリノテルメ」
硬度638mg/L(硬水)
水源の成り立ち標高1,200〜1,300メートルの山々の雪どけ水や雨水が、約30年かけてミネラルを含みながら地層を旅する
タイプ炭酸入りミネラルウォーター
ブランド設立1899年(設立以来125年)
表1:サンペレグリノの基本データ。日仏貿易(正規輸入元)ブランドページ記載(2026年8月調査)

目を引くのはやはり硬度638mg/Lという数値です。硬度は水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を表す指標で、日本の水道水や国産天然水の多くは軟水に分類されます。同じヨーロッパの硬水として知られるエビアンが硬度304mg/lですから、サンペレグリノはその2倍以上。硬水の中でもかなりミネラルの豊富な水だと分かります。硬度という指標の読み方は硬度とは何かを解説した記事で詳しく整理しています。

硬度638mg/Lという数値は、水に溶け込んだカルシウムとマグネシウムの豊富さを表しています。ブランドページの表現を借りれば、この2つのミネラルは水が「地層を旅し」ながら岩から受け取ったものです。数値だけを見ても想像しづらいかもしれませんが、グラスに注いで飲めば、軟水とははっきり違う、輪郭のある口当たりとして感じられます。数字と味覚を結びつけて楽しめるのは、水質データが公開されている名水ならではの面白さです。

炭酸については「炭酸入り」とだけ書ける

サンペレグリノといえばシュワッとした泡を思い浮かべる人が多いはずです。ただし、この炭酸が水源由来なのか製造時に加えられたものなのかについて、正規輸入元のブランドページは明言していません。そのため本記事でも、由来には踏み込まず「炭酸入りのミネラルウォーター」とだけ記すことにします。確かな情報の範囲で書く——名水を紹介するうえで、当サイトが大切にしている姿勢です。

サンペレグリノ・テルメを流れるブレンボ川の浅瀬と、背後のオロビエ・アルプスの山並み
町を流れるブレンボ川。標高1,200〜1,300メートルの山々に降った雪どけ水や雨水が、地層をくぐって流れ下ります。写真:Kweedado2(Wikimedia Commons)/CC BY 2.5

水源の仕組み:約30年かけて地層を旅する水

サンペレグリノの水源の成り立ちについて、ブランドページは「標高約1,300メートルの山々から雪どけ水や雨水が、約30年の長い時間をかけてカルシウムやマグネシウムのミネラル成分を豊富に含んで地層を旅し」と描写しています(日仏貿易=サンペレグリノ正規輸入元・2026年8月調査)

「地層を旅する」という表現がよく表しているとおり、山に降った雪や雨は、地表を流れ下るのではなく地面の下へしみ込み、岩の隙間をゆっくりと移動していきます。その道のりが約30年。この長い地下の旅の間に、水は岩石からカルシウムやマグネシウムを溶かし込み、硬度638mg/Lというミネラルの豊富な水に育っていくわけです。

水の個性は、その土地の地形と地質、そして水が地下にとどまる時間の長さで決まります。標高1,200〜1,300メートルの山々という高低差と、30年という時間。サンペレグリノの力強いミネラル感は、ロンバルディアの山と地層が数十年がかりで仕込んだ味だと言えます。

森の谷に落ちるブレンボ川の滝と、澄んだ淵
ブレンバーナ渓谷を流れるブレンボ川の滝。地層を通り抜けた水が、地表に出て流れ下ります。写真:Pier B.(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0

水が地下にとどまる時間と硬度の関係

一般に、水が地層の中にとどまる時間が長いほど、岩石のミネラルを溶かし込む機会は増えます。約30年という地下の旅は、その意味で硬度638mg/Lという数値と表裏一体の情報です。逆に、降った雨が短い時間で湧き出す土地では、ミネラルを蓄える時間が足りず、水は軟水寄りになります。日本の名水に軟水が多いのはこの構図で説明できることが多く、「水の硬さは土地の時間の長さ」と覚えておくと、世界の名水めぐりがぐっと分かりやすくなります。

ブレンボ川に面して建つサンペレグリノ・テルメのグランドホテル
ブレンボ川に面して建つグランドホテル。1899年の創業期に建てられたリバティ様式の建築です。写真:Guerinf(Wikimedia Commons)/CC0

現地情報と楽しみ方:食事と合わせる水

採水地のサンペレグリノテルメはロンバルディア州の山あいの町です。正規輸入元が公開しているのは水源と水質、ブランドの歴史に関する情報が中心のため、現地の見学施設や訪問の可否について本記事では断定しません。イタリア旅行の際に立ち寄りを考える場合は、最新の現地情報を確認してから計画してください。

「テルメ(温泉)」という地名が示すとおり、この町は水とともに歩んできた土地です。名水の背景には、その水を大切にしてきた土地の暮らしがあります。ボトルの向こうに北イタリアの山あいの町を思い浮かべるだけでも、一杯の水の味わいは少し変わってくるはずです。

日本での楽しみ方としては、サンペレグリノは「食事と合わせる水」として試すのが分かりやすい入り口です。

硬度638mg/Lの水は、軟水に慣れた口には最初は個性的に感じられるかもしれません。どんな飲み方が合うかは好みによるので、少量から試してみるのがおすすめです。なお、ミネラルの健康面への働きについては個人差や医学的な判断を含むため、本記事では扱いません。

初めて試すときの手順

初めてサンペレグリノを試すなら、次の流れがおすすめです。

  1. 1. 【手順1】まずはよく冷やして、食事と一緒にグラスで飲んでみます(泡とミネラル感が料理と合わさったときの印象を確かめます)
  2. 2. 【手順2】次に単体で、常温に近い温度でも飲んでみます(温度が上がるとミネラルの輪郭がより分かりやすくなります)
  3. 3. 【手順3】最後に軟水と交互に味を比較して、硬度638mg/Lの意味を舌で確認します

同じ1本でも、温度と合わせ方で印象は大きく変わります。自分にとっての「いちばんおいしい飲み方」を探す過程そのものが、この水の楽しみ方だと言えます。

サンペレグリノ・テルメのサン・ニコラ橋と、ターコイズ色に澄んだブレンボ川
サンペレグリノ・テルメのサン・ニコラ橋と、澄んだブレンボ川。写真:Guerinf(Wikimedia Commons)/CC0

日本の名水と並べてみると

日本の名水はそのほとんどが軟水で、硬度638mg/Lというサンペレグリノの数値は、国内の水ではまず出会えない水準です。日本は山から海までの距離が短く、水が地層にとどまる時間が比較的短いのに対し、サンペレグリノの水は約30年をかけて地層を旅します。この滞留時間の違いが、軟水の国・日本と硬水の多いヨーロッパを分ける大きな要因です。日本の名水については名水百選の解説記事で、軟水と硬水の使い分けは軟水と硬水の違いの記事で詳しく紹介しています。

世界の名水の中で位置づけると、サンペレグリノは硬水の中でもミネラルの豊富な部類に入ります。同じヨーロッパのエビアン(硬度304mg/l)、南太平洋のフィジーウォーター(硬度106mg/L)と並べると、638mg/Lという数値の際立ち方がよく分かります。産地の地層が変われば水はここまで変わる——味の比較は、そのことを実感できる手軽な地理の勉強かもしれません。世界に目を向ければ、ニュージーランドのテ・ワイコロププの泉のように「飲む」以外の価値で知られる名水もあります。また、国や地域が変われば水道水の水質も変わるもので、海外の水道水事情は世界の水道水の記事で紹介しています。

フラスナデッロ集落から見おろしたブレンバーナ渓谷とサンペレグリノ・テルメの全景
フラスナデッロ集落から見おろしたブレンバーナ渓谷とサンペレグリノ・テルメ。写真:Pesoregista(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

まとめ

サンペレグリノについて、正規輸入元の情報から分かることを整理しました。

レストランで見かける緑のボトルの中身は、ロンバルディアの山々が約30年かけて仕込んだ水です。次にサンペレグリノを注文する機会があれば、地層を旅してきた水の物語も一緒に味わってみてください。

当サイトでは世界の名水をシリーズで紹介しています。硬度や水源の成り立ちという同じ物差しで読み比べると、土地ごとの水の個性がいっそうはっきり見えてきます。

サンペレグリノの水を飲んでみる

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箱で買い続けるという選び方

サンペレグリノのように輸入の水を箱で買い続けると、1本あたりの単価と置き場所が気になってきます。買い置きと据え置きを比べた記事があります。

出典

一次資料(政府機関・公的機関の公表資料および査読論文)。リンクの到達性は2026年9月3日に確認しました。

参考サイト

自動取得ができず本文の根拠には用いていない資料、および訪問の計画に役立つ実用情報(2026年9月3日確認)

画像クレジット

この記事で使っている写真の出所です。CC BY/CC BY-SA の写真は、ライセンスの条件に従って撮影者・ライセンス名・元ファイルへのリンクを表示しています(自作の図版は除きます)。