森の滝の写真を背景に大小の水滴を描いたイラスト(名水百選の記事)

日本の名水百選とは?選定基準と一度は訪れたい湧水地

「名水百選」という言葉を、観光地の看板やペットボトルの紹介文で見かけたことはないでしょうか。この記事では、名水百選とは何か——誰がどれだけ選んだのか、そして意外と知られていない「飲用の扱い」——を、環境省の公表情報にもとづいて整理します。

昭和60年選定の名水百選100件と平成の名水百選100件を足して全国200件になることを箱で示し、選定が飲用適性の保証ではないという環境省の注意書きを下段に引用した図
名水百選は昭和60年選定100件と平成の名水百選100件の計200件です。図:水のソムリエ編集部作成

名水百選とは——環境省が選定した100件×2世代

名水百選は、環境省が選定した湧水・河川などの一覧です。昭和60年に選定された「名水百選」と、その後に選定された「平成の名水百選」の2つがあり、環境省の公式ポータルの一覧にはそれぞれ100件が掲載されています(環境省 名水百選ポータル・2026年8月9日調査。一覧掲載件数を実際に数えて確認)。あわせて200件の「名水」が、北海道から沖縄まで全国に散らばっています。

岩の間から突き出た注ぎ口から水が落ちる湧水の水汲み場を描き、飲用の可否は所在自治体に確認するようにという環境省の注意書きを右に掲げたイラスト
選定は水質のお墨付きではありません。飲む場合は所在自治体への確認が公式の案内です。図:水のソムリエ編集部作成

大事な注意——「名水」は飲めることの保証ではない

名水百選について最も知っておきたいのは、選定が水質のお墨付きではないという点です。環境省のポータルには、次の注意書きが明記されています。

「選定された名水は飲用に適することを保証するものではありませんので、飲用に供される場合は、その名水が所在する自治体にご確認ください」(環境省 名水百選ポータルの注意書き原文・2026年8月9日調査)

つまり、名水百選に選ばれた水であっても、そのまま飲んでよいかどうかは別の話です。現地で飲みたい場合は、その名水が所在する自治体の情報を必ず確認してください。

苔むした岩の間を勢いよく流れ落ちる湧水
表1にある羊蹄のふきだし湧水(北海道・虻田郡京極町)。写真:ブルーノ・プラス/Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

一覧から——一度は訪れたい名水の例

環境省ポータルの一覧(昭和60年選定)から、地域の広がりが分かるように名称と所在地をいくつか挙げます。

名称所在地
羊蹄のふきだし湧水北海道・虻田郡京極町
龍泉洞地底湖の水岩手県・下閉伊郡岩泉町
忍野八海山梨県・南都留郡忍野村
柿田川湧水群静岡県・駿東郡清水町
四万十川高知県・県西部
白川水源熊本県・阿蘇郡南阿蘇村
垣花樋川沖縄県・南城市
表1:名水百選(昭和60年選定)一覧からの抜粋。名称・所在地は環境省 名水百選ポータルの一覧掲載のとおり(2026年8月9日調査)

湧水群のように「群」として選ばれているもの、河川そのものが選ばれているものなど、選定対象のかたちはさまざまです。お住まいの県にどの名水があるかは、環境省ポータルの一覧・地図から検索できます。

訪れるときのヒント

名水の多くは地域の暮らしや信仰とともに守られてきた場所です。訪れる際は、駐車や採水のルールなど現地の案内に従い、繰り返しになりますが、飲む場合は自治体の情報を確認してから。ポータルにも「記載事項は予告なしに変更又は中止されることがある」との注記があり、現地の最新情報が優先です。

まとめ

名水百選は環境省が選定した昭和60年選定100件・平成の名水百選100件の計200件で、全国の湧水や河川が名を連ねています。ただし選定は飲用適性の保証ではなく、飲む場合は所在自治体への確認が公式の案内です。

「名水のような天然水を日常でも飲みたい」という方は、採水地を明示した宅配水という選択肢もあります。各社の水と料金は10社比較の記事を、宅配水の注文の仕組みは宅配5社の注文条件の記事をご覧ください。本記事の記載は2026年8月時点の調査にもとづきます。