水深600〜900mから汲み上げる海の水【世界の名水】コナ沖の海洋深層水〜アメリカ・ハワイ島〜
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世界の名水というと、山の湧水や氷河の水を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし水の世界には「海から汲む名水」もあります。ハワイ島コナ沖の海洋深層水を原水とする「マハロウォーター」は、その代表格の一つです。
本記事では、マハロウォーターの日本公式サイトの記載をもとに、海洋深層水とはどんな水か、なぜハワイ島コナ沖なのか、海水がどうやって飲み水になるのかを整理します。掲載する事実は、公式サイトの記載に、取水設備を運営するハワイ州機関NELHA(ハワイ自然エネルギー研究所)の公表資料と査読論文で裏付けを加えて整理しています。成分の数値は公式サイトに記載がないため扱いません。
ハワイの海洋深層水(マハロウォーター)とは
先に結論です。マハロウォーターは、公式サイトによると次のような水です。
- ・「ハワイ島・コナ取水」——ハワイ島コナ沖の海洋深層水を原水としています
- ・その深層水は「ハワイ島コナ沖で湧き上がる、海洋大循環の深層水」と説明されています(取水設備を運営するハワイ州機関NELHAの公表では、深層海水は水深2,000フィートと3,000フィートから取水管で汲み上げられています)
- ・「ハワイ島ネルハ内に約36,000坪の広大な敷地内に海洋深層水工場を建設」し、そこでボトリングまで行っています
- ・「深海から湧き上がってきた海洋深層水をそのまま海洋深層水工場で丁寧に脱塩、ろ過の工程をオートメーションでボトリング」しています
いずれも公式サイトの原文にもとづく内容です(マハロウォーター日本公式サイト・2026年8月調査)。つまりマハロウォーターは「地球規模の海の流れが運んできた深層の海水を、ハワイ島の工場で塩分を取り除いて飲み水に仕上げた水」だと言えます。
水の特徴:公式サイトの記載を整理
公式サイトで確認できるマハロウォーターの特徴を表1にまとめます。
※表中の記載はマハロウォーター日本公式サイトの表現です。取水設備を運営するハワイ州機関NELHAは、深層海水を水深2,000フィート(約610m)と3,000フィート(約915m)の2系統の取水管で汲み上げていると公表しています(マハロがどちらの系統を使うかは公表されていません・2026年9月3日確認)。
| 項目 | 公式サイトの記載 |
|---|---|
| 取水地 | ハワイ島・コナ取水(コナ沖) |
| 水の由来 | ハワイ島コナ沖で湧き上がる、海洋大循環の深層水 |
| 製造拠点 | ハワイ島ネルハ内の約36,000坪の敷地に建設された海洋深層水工場 |
| 製造工程 | 深海から湧き上がってきた海洋深層水を、そのまま工場で脱塩・ろ過し、オートメーションでボトリング |
なお、マハロウォーターの公式サイトには取水深度や成分の数値の記載がありません。取水設備を運営するハワイ州機関NELHAは、深層海水を水深2,000フィート(約610m)と3,000フィート(約915m)の2系統の取水管で汲み上げていると公表していますが、マハロがどちらの系統の水を使っているかは公表されていません(NELHA公式「HOST Park Assets」・2026年9月3日確認)。成分の数値が気になる方は、購入時に商品ラベルの栄養成分表示を確認してください。
ラベルで確認できること
ボトルドウォーターの数値情報は、商品ラベルの栄養成分表示と一括表示欄で確認するのが確実です。栄養成分表示にはナトリウムやカルシウムなどの含有量が、一括表示欄には品名・原材料名・採水国などが記載されています。公式サイトに数値の記載がない水でも、手元のボトルを見れば「いま飲んでいる水がどんな水か」を自分で確かめられます。数値を読み解く基礎知識としては、硬度の考え方を知っておくと便利です。詳しくは硬度とは何かを解説した記事で整理しています。

海洋大循環と深層水——水源の仕組み
海洋深層水とは何か
海の水は、どこでも同じというわけではありません。太陽の光が届く表層の海水と、光がほとんど届かない深い層の海水とでは、性質が大きく異なります。深い層の海水は表層の海水と混ざりにくく、独立した層を保ったまま流れ続けています。この深い層を流れる海水が、一般に「海洋深層水」と呼ばれるものです。
深い層の海水は、表層のように波や風でかき混ぜられることがなく、日光もほとんど届かないため、植物プランクトンによる光合成もあまり行われません。表層とは異なる環境で長い時間を過ごしてきた水であることから、海洋深層水は飲料水のほか、食品づくりや塩づくりなど幅広い分野で利用されてきました。
海洋大循環——地球をめぐる海の流れ
マハロウォーターの公式サイトが原水を「海洋大循環の深層水」と表現している点は、この水の物語の核心です。海洋大循環とは、海水が深層と表層を行き来しながら地球全体をゆっくりと巡る、地球規模の海の流れのことです。深層に沈み込んだ海水は、長い時間をかけて大洋の深部を移動し、やがて再び表層へと戻ってきます。
つまり、ハワイ島コナ沖の深層水は「その場の海水」ではなく、地球をめぐる大きな流れの一部だということです。山の名水が地層というろ過装置と長い年月の物語を持つように、海洋深層水は地球規模の循環という壮大な物語を持っています。
コナ沖で「湧き上がる」深層水
公式サイトは、この深層水を「ハワイ島コナ沖で湧き上がる」と表現しています(マハロウォーター日本公式サイト・2026年8月調査)。ただし実際には、泉のように自然に湧き出しているわけではありません。取水設備を運営するハワイ州機関NELHAによると、深層海水はケアホレ岬の沖合に敷設した取水管で水深2,000フィート(約610m)と3,000フィート(約915m)から汲み上げられ、陸上の送水設備で各施設へ送られています。2001〜2002年には直径55インチ(約140cm)の取水管を水深3,000フィートまで敷設し、米国土木学会ハワイ支部の2002年の賞を受けました(NELHA公式「HOST Park Assets」・FY2002年次報告・2026年9月3日確認)。地球をめぐる深層の海水を、人の手で深海から汲み上げて陸に届けている——それがコナ沖の海洋深層水の実像です。

ネルハの工場と脱塩・ろ過の工程
約36,000坪の海洋深層水工場
マハロウォーターの製造拠点は、公式サイトによると「ハワイ島ネルハ内に約36,000坪の広大な敷地内に海洋深層水工場を建設」したものです。取水した深層水を別の場所へ運んでから処理するのではなく、「深海から湧き上がってきた海洋深層水をそのまま海洋深層水工場で丁寧に脱塩、ろ過の工程をオートメーションでボトリング」する、と説明されています(マハロウォーター日本公式サイト・2026年8月調査)。
NELHA公式サイトによると、マハロを製造するKoyo USA Corp.は2003年にNELHAで初めて精製深層海水由来の飲料水を商業生産したテナントで、敷地は30エーカー(約12万m²・約36,700坪)。製品「Mahalo」は精製した100%ハワイ深層海水で、毎週日本へ輸出されています(NELHA公式・2026年9月3日確認)。
取水からボトリングまでが同じ敷地内で完結しているという説明は、水の履歴の分かりやすさという点で重要なポイントです。汲み上げた水を長距離輸送してから別の場所で処理するのではなく、取水管で汲み上げた深層水をその場で処理して詰める。この一貫体制が、公式サイトの「そのまま」「オートメーションで」という言葉に込められています。
なぜ「脱塩」が必要なのか
海洋深層水はあくまで海水ですから、そのままでは塩辛くて飲めません。飲み水にするには、海水から塩分を取り除く「脱塩」という工程が必要です。マハロウォーターの場合も、公式サイトに記載のとおり、脱塩とろ過を経てはじめてボトルドウォーターになります。
海水を淡水に変える技術は、飲料水製造だけでなく、水資源の乏しい地域の水道にも使われている技術です。海水がどうやって真水になるのかという仕組みに興味がある方には、山や地下水の名水とはまた違った「技術がつくる水」の世界が見えてくるはずです。

現地情報と楽しみ方
ハワイ島はハワイ諸島で最も大きな島で、コナはその西側に位置する地域として知られています。晴天の多い西海岸はコーヒー栽培やリゾートで有名ですが、その沖合の深い海が海洋深層水の取水地になっています。ハワイ州観光局の公式サイトによると、ハワイ島西海岸の観光の中心は港町カイルア・コナで、海沿いのアリイ・ドライブ沿いに商店や教会・宮殿などの史跡が並びます。取水地のケアホレ岬はカイルア・コナの北、コナ国際空港に隣接するNELHAの敷地(870エーカー)内にあります(ハワイ州観光局公式・NELHA公式・2026年9月3日確認)。なお、マハロウォーターの工場を見学できるかどうかは公式サイトに案内がないため、本記事では断定しません。現地を訪れる場合は最新の公式情報を確認してください。
また、ハワイ島は現在も火山活動が続く「火山の島」としても知られています。本記事とあわせて紹介しているアイスランドや済州島と同じく、火山がつくった大地と水の物語を持つ土地ですが、ハワイ島の場合は陸の地下水ではなく、沖合の深い海が名水の源になっている点がユニークです。黒い溶岩の海岸のすぐ先に、地球を巡ってきた深層水を汲み上げる深い海がある——「火山の島めぐり」というテーマで世界の名水を追いかけてみると、島ごとの個性の違いがいっそうはっきり見えてきます。
商品名の「マハロ(MaHaLo)」は、「ありがとう」を意味するハワイ語として広く知られている言葉です。日本では輸入品として購入でき、710mlというやや大きめのボトルで販売されています。楽しみ方としては、次のような視点がおすすめです。
- ・山の湧水由来のナチュラルウォーターと味を比較して、「陸の水」と「海の水」の違いを体感する
- ・同じ海洋深層水をうたう他の商品とラベルの表示を見比べて、取水地や処理方法の違いを調べる
- ・「地球を巡ってきた水」という物語を思い浮かべながら、ゆっくり味わう
初めて試すなら、次の比較の仕方が分かりやすい方法です。
【手順1】マハロウォーターと普段の水(水道水や国産の天然水)を、同じ温度にそろえます。温度が違うと味の印象が大きく変わるためです。
【手順2】同じ形のコップに注いで、交互に一口ずつ飲み、飲み口や後味の違いを確かめます。
【手順3】最後にラベルの一括表示欄を見て、採水地や処理方法の記載と自分の印象を照らし合わせます。
味の感じ方は人それぞれですので、飲み口の印象は実際に確かめてみてください。

日本の名水と並べてみると
日本の名水の多くは、山に降った雨や雪が地層でろ過されて湧き出す「陸の水」です。環境省の名水百選に選ばれた水も、湧水や河川など陸の水が中心です。名水百選の全体像は名水百選の解説記事で紹介しています。
それに対して海洋深層水は、海というまったく別の水源から生まれる水です。地層のかわりに海洋大循環が水を運び、湧水のかわりに脱塩・ろ過という技術が飲み水に仕上げる——同じ「名水」でも、成り立ちがまるで違います。
世界の名水を並べてみると、この違いはさらに際立ちます。ニュージーランドのテ・ワイコロププの泉は大地が磨いた湧水、アイスランドの氷河水は約5,000年前の溶岩の層が育んだ泉の水、そしてマハロウォーターは海が育てた水です。水源の違いを知って比べて味わうと、一本の水の背景がぐっと立体的に見えてきます。
なお、世界には水道水の水質や事情が大きく異なる国々があり、その違いはボトルドウォーターの文化にも影響しています。世界の水道水の傾向は世界の水道水の解説記事で整理しています。同じ火山の島でも陸の地下水を汲み上げる例として、済州島の火山岩盤水の記事もあわせてどうぞ。

よくある質問
取水深度は何メートルですか?
マハロウォーターの公式サイトには取水深度の記載がありません。取水設備を運営するハワイ州機関NELHAは、深層海水を水深2,000フィート(約610m)と3,000フィート(約915m)の2系統の取水管で汲み上げていると公表しています。マハロがどちらの系統の水を使っているかは公表されていないため、本記事では特定していません(NELHA公式「HOST Park Assets」・2026年9月3日確認)。
海の水なのに、しょっぱくないのですか?
マハロウォーターは、公式サイトによると海洋深層水を工場で「脱塩、ろ過」してからボトリングしています(マハロウォーター日本公式サイト・2026年8月調査)。塩分を取り除く工程を経て製品になっているため、飲み水として販売されています。
軟水ですか?硬水ですか?
硬度の数値が公式サイトで確認できなかったため、本記事では断定していません。手元のボトルがあれば、ラベルのカルシウム・マグネシウムの表示から硬度のおおよその見当をつけられます。硬度の計算の考え方は硬度とは何かを解説した記事を参考にしてください。

まとめ
- ・マハロウォーターは、公式サイトが「ハワイ島コナ沖で湧き上がる、海洋大循環の深層水」と表現する深層海水を原水とするボトルドウォーターです(実際にはハワイ州機関NELHAの取水管で水深2,000〜3,000フィートから汲み上げられています)
- ・ハワイ島ネルハ内の約36,000坪の敷地に建設された工場で、脱塩・ろ過の工程をオートメーションでボトリングしています(公式サイト記載)
- ・取水深度は公式サイトに記載がなく、取水設備を運営するNELHAの公表値(水深2,000フィートと3,000フィートの2系統)を示しました。成分の数値は公式サイトに記載がないため掲載していません
- ・山の湧水とは成り立ちの異なる「海の名水」として、味の比較の一本に加える価値のある水です
ハワイの海洋深層水を飲んでみる
マハロウォーターは日本でも購入できます。Amazonでは710ml×24本のケースが販売されています。
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ハワイ島コナ沖の海洋深層水を、ネルハ内の工場で脱塩・ろ過してボトリング(マハロウォーター日本公式サイト・2026年8月調査)
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ろ過して水をつくるということ
海洋深層水は、脱塩とろ過の工程をへて飲み水になります。家庭用の浄水器も同じくろ過で水をつくりますが、取り除ける対象は製品ごとに異なります。
出典
一次資料(政府機関・公的機関の公表資料および査読論文)。リンクの到達性は2026年9月3日に確認しました。
- ・NELHA(ハワイ州機関 Natural Energy Laboratory of Hawaii Authority)公式|Koyo USA Corporation|マハロを製造する Koyo USA Corp. が2003年にNELHAで初めて精製深層海水由来の飲料水を商業生産したテナントであること、敷地30エーカー、製品「Mahalo」が精製した100%ハワイ深層海水であり毎週日本へ輸出されていることの根拠
- ・NELHA公式|HOST Park Assets|深層海水(DSW)が水深2,000フィートおよび3,000フィートから、表層海水(SSW)が水深80フィートから取水されていること、3系統の送水設備が24時間稼働し1日2,000万ガロン超を送水すること、パークの敷地870エーカーの根拠
- ・NELHA公式|About HOST Park & NELHA|NELHAがハワイ州商業経済開発観光局(DBEDT)傘下の州機関であること、HOSTパークがハワイ島コナ海岸の870エーカーの海辺の施設で1974年以来州が投資してきたことの根拠
- ・NELHA|FY 2002 Annual Report(PDF)|2001〜2002年に水深3,000フィートへ達する直径55インチの取水管をケアホレ岬沖に敷設したこと(米国土木学会ハワイ支部2002年賞)、それ以前は水深2,000フィートから深層海水を汲み上げていたこと、表層海水は沖合600フィート・水深45フィートの取水口から汲み上げていることの根拠
- ・Sansone F.J., Smith S.V., Price J.M. ほか(1988)|Long-term variation in seawater composition at the base of the thermocline|Nature 332, pp.714-717|DOI: 10.1038/332714a0|ケアホレ岬のNELHA深層水取水管(水深約675m)を用いて、主躍層の下の海水組成を数年にわたり定点観測した査読論文。コナ沖の深層水が船上観測では得がたい定点の深層海水として科学的に扱われていることの根拠
- ・ハワイ州観光局 公式日本語サイト allhawaii|ハワイ島の魅力・観光スポット|ハワイ島西海岸の観光の中心が港町カイルア・コナであること、アリイ・ドライブ沿いに商店や史跡(教会・ヘイアウ・宮殿)があること、ハワイ島が他の島を合わせた面積の2倍近い広さであることの根拠
- ・ハワイ州観光局 公式日本語サイト allhawaii|ハワイ島で体験できるテイスティングやファクトリー、ファームツアーガイド|コナ地区で水深約2,200フィートの深層海水を使う塩田(コナ・シーソルト)が見学ツアーを行っていること=コナ沖の深層海水が地域産業として利用されていることの根拠
- ・マハロウォーター日本公式サイト|「ハワイ島コナ沖で湧き上がる、海洋大循環の深層水」「ハワイ島ネルハ内に約36,000坪の広大な敷地内に海洋深層水工場を建設」「深海から湧き上がってきた海洋深層水をそのまま海洋深層水工場で丁寧に脱塩、ろ過の工程をオートメーションでボトリング」の記載(本文の引用文の出所)
参考サイト
自動取得ができず本文の根拠には用いていない資料、および本文で直接引用していない技術文書(2026年9月3日確認)
- ・Hawaii Tourism Authority|GoHawaii:Kona(英語)|コナ地区の公式観光情報。2026年9月3日時点でHTTP 403のため自動取得できず、本文の根拠には用いていない(日本語版 allhawaii.jp を出典に用いた)
- ・NELHA|Underwater Pipeline Survey MS-IFB-20-01(入札仕様書・PDF)|ケアホレ岬沖に11本の取水管があり、稼働中の40インチ冷海水取水管などを記した技術文書。本文では直接引用していない
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