水道管の凍結を防ぐには?マイナス4℃が目安の対策と凍ったときの直し方
冬の朝、蛇口をひねっても水が出ない。水道管の凍結は、寒い地域だけの話ではありません。本記事では、札幌市・東京都・長野県・福岡市の水道事業者と国土交通省が公表している案内をもとに、凍結しやすい条件、防ぎ方、凍ったときと破裂したときの対処を順に整理します。
結論:最低気温マイナス4℃が目安。保温と水抜きで防ぎ、ぬるま湯で解かす
先に要点です。国土交通省の案内では、最低気温がマイナス4℃以下になるときは特に注意が必要とされています(国土交通省「水道管の凍結に注意してください。」・2026年10月調査)。札幌市水道局も「マイナス4℃は水抜きの合図」と呼びかけています(札幌市水道局「水道が凍結したら」関連リンク・2026年10月調査)。
- ・防ぐ:屋外に出ている水道管に保温材を巻き、外気に直接触れないようにする。水を抜ける設備なら、寝る前や留守の前に抜いておく
- ・凍ったら:自然に解けるのを待つか、タオルをかぶせて上からぬるま湯をゆっくりかける。熱湯や直火は使わない
- ・破裂したら:元栓(止水栓)を閉めて水を止め、お住まいの水道事業者が指定する工事事業者に修理を頼む
11月のうちに保温材や水の止め方を確かめておけば、寒波の予報が出てから慌てずにすみます。以下、それぞれの根拠と具体的な手順を見ていきます。

凍結しやすい条件と場所
水道管の中の水は、気温が氷点下になると凍って水が出なくなったり、管が破裂して漏水したりすることがあります。国土交通省の案内は、特に注意が必要な場合として次の4つを挙げています。
- ・最低気温がマイナス4℃以下になるとき
- ・寝る前や旅行で家を空けるなど、長い時間水道を使わないとき
- ・建物の外壁ぎわなどに露出している水道管
- ・北向きの日陰や、風当たりが強いところの水道管
長野県企業局(上田水道管理事務所)の案内は、これに加えて「真冬日」(1日中外気温が氷点下の日)が続いたときも特に注意が必要としています(長野県企業局上田水道管理事務所「水道管の凍結にご注意ください」・2026年10月調査)。
寒冷地では件数も多く、札幌市水道局のチラシは、毎年12月から2月にかけて凍結事故が多発し、市内の凍結による修繕件数は「昨冬」で年間約8千件だったと伝えています(チラシに対象の年の記載はありません)(札幌市水道局「水道凍結に注意」チラシ・2026年10月調査)。部屋の中が暖かくても、車庫など外気温と変わらない場所に水道管がある場合は対策が必要だとも書かれています。
温暖な地域も例外ではありません。福岡市水道局は2025年1月の報道発表で、平成28年(2016年)の記録的な大寒波のとき、福岡市内でも水道管の破損が3,339件あったと紹介しています(福岡市水道局「水道管の凍結注意について」令和7年1月29日・2026年10月調査)。寒波の予報が出たら、寒冷地でなくても早めに備えます。

凍結を防ぐ方法
【手順1】屋外の水道管に保温材を巻く
いちばん基本の対策は、水道管を外気に直接触れさせないことです。国土交通省の案内は「水道管に保温材を巻き付け、直接外気に触れないようにする」ことを挙げています。福岡市水道局は、屋外に露出している水道管に市販の保温チューブや布などを巻く方法を紹介しています(福岡市水道局「水道管の凍結注意について」令和7年1月29日・2026年10月調査)。長野県企業局は、保温材のほか凍結防止帯を巻く方法も挙げています。
巻き方は、東京都水道局の案内が具体的です。図2のように、①水道管が直接外気に触れないよう保温材(毛布・発泡スチロール等も可)を巻く、②その上からひもで縛って固定する、③保温材がぬれないように、ビニールテープ等で下から隙間なく重ねて巻く、の3段階です(東京都水道局 営業所だより 第67号「水道管の防寒対策と凍結時の対処方法を確認しましょう」令和6年12月・2026年10月調査)。同じ案内は、屋外の給湯器も凍結の被害を受けやすいため、メーカーのホームページや取扱説明書で予防の方法を確かめるよう求めています。
【手順2】メーターボックスの中も保温する
地面に埋まっている水道メーターの箱(メーターボックス)の中も冷えます。福岡市水道局は発泡スチロールや新聞紙などを、長野県企業局は布や発泡スチロールを入れて保温する方法を紹介しています。
【手順3】水を抜ける設備なら、寝る前や留守の前に抜く
寒冷地の住宅には、管の中の水を抜くための「水抜き栓(不凍栓)」が付いていることがあります。国土交通省の案内は「水道管内の水を排水できる場合は、あらかじめ排水しておく」ことを挙げ、札幌市水道局は凍結対策には水抜きが最も効果的だとしています。
注意したいのは操作の順番です。札幌市水道局のチラシによると、水抜き栓を操作するだけでは水は抜けず、蛇口を開けないと水が完全に抜けずに凍結の原因になります。また、水を抜いたあとに蛇口を閉め忘れると、次に水抜き栓を開けたときに水が出しっぱなしになります。長野県企業局も「蛇口を開いている状態で、不凍栓(水抜栓)をしっかり閉めましょう」と案内しています。水抜き栓の形や操作の手順は住宅によって違うため、取扱説明書やお住まいの水道事業者の案内で確かめてください。
【手順4】長く家を空ける前に確かめる
旅行や帰省で長く家を空けるときは、水を使わない時間が長くなるうえ、凍結や漏水に気づくのも遅れます。長野県企業局は、長期間留守にする方は不在中の漏水に注意するよう呼びかけています。年末年始の帰省の前には、保温材の状態と、水抜き・元栓の閉め方をあわせて確かめておきましょう。

凍ってしまったときの直し方
水が出なくなったら、まず自然に解けるのを待つ方法があります。急ぐ場合は、図3のように凍ったところにタオルなどを巻き付け、その上からぬるま湯をゆっくりかけます。国土交通省・福岡市水道局・長野県企業局の案内はいずれもこの方法を紹介しています。札幌市水道局は、露出している管に保温筒が付いている場合は取り外してからタオルを巻くよう案内しています。
やってはいけないのは、熱湯をかけることと直火を当てることです。国土交通省の案内は熱湯をかけると水道管が破裂するおそれがあるとし、札幌市水道局は蛇口などに直接お湯をかけたり直火を当てたりすると破裂や火災の危険があると注意しています。長野県企業局は、熱湯は蛇口や水道管を傷めるだけでなく、やけどの原因になるとしています。
それでも水が出ないときは、無理をせず、お住まいの水道事業者が指定する給水装置工事事業者に修理を依頼します。札幌市水道局は、水道局では凍結修繕を行っておらず、修繕の費用は利用者の自己負担になること、依頼する前に工事内容や費用の説明を受け、できれば複数の事業者から見積りをとるよう案内しています。
水道管が破裂したとき
凍結で管が破裂し、水が噴き出したときの手順は次のとおりです。
- ・まず水を止める:元栓(止水栓)を閉めます。福岡市水道局はメーターボックス内のバルブを閉めるよう案内しています
- ・止まらないとき:破裂した箇所にテープか布をしっかり巻いて応急手当をします(長野県企業局)
- ・修理を頼む:お住まいの水道事業者が指定する給水装置工事事業者に依頼します。水の止め方や指定事業者が分からない場合は、水道事業者に問い合わせます(国土交通省)
長野県企業局の案内では、宅内の配管から漏水した場合の水道料金や工事代金は利用者の負担になります。札幌市水道局のチラシは、集合住宅では階下に被害がおよび、賠償の問題に発展するケースもあると注意しています。元栓の場所は、凍結する前に一度確かめておきましょう。
断水したときの水の確保は断水したらどうする?初動と給水拠点で、トイレなどに使う水の確保は災害時の生活用水の確保術で整理しています。
まとめ
- ・最低気温マイナス4℃以下、長く水を使わないとき、外壁ぎわ・北向き・風当たりの強い場所の管は凍結に注意します
- ・防ぐには、屋外の水道管とメーターボックスを保温し、水抜きができる設備なら寝る前や留守の前に水を抜きます。水抜き栓だけでなく蛇口も開ける点に注意します
- ・凍ったら、自然に解けるのを待つか、タオルをかぶせてぬるま湯をゆっくりかけます。熱湯・直火は破裂や火災、やけどのおそれがあります
- ・破裂したら元栓(止水栓)を閉め、指定給水装置工事事業者に修理を依頼します。修理費用は自己負担です
本記事の記載は2026年10月時点の調査にもとづきます。水抜き栓の操作や修理の依頼先は地域や住宅によって異なるため、実際の対策はお住まいの水道事業者の最新の案内をご確認ください。
出典
一次資料(政府機関・公的機関の公表資料および査読論文)
- ・国土交通省|水道管の凍結に注意してください。|マイナス4℃以下・注意が必要な4条件・保温材と排水・ぬるま湯と熱湯の注意・破裂時の元栓と指定給水装置工事事業者|確認日2026-10-03
- ・札幌市水道局|水道が凍結したら|関連リンクの「マイナス4℃は水抜きの合図」・タオルとお湯での解氷・直接のお湯や直火の危険・凍結修繕は指定事業者・費用は自己負担と見積り|確認日2026-10-03
- ・札幌市水道局|水道凍結に注意(チラシ)|12月〜2月に多発・修繕件数年間約8千件(「昨冬」)・凍結対策には水抜きが最も効果的・水抜き栓と蛇口の操作・車庫など外気温と同じ場所・階下への被害|確認日2026-10-03
- ・東京都水道局|営業所だより 第67号「水道管の防寒対策と凍結時の対処方法を確認しましょう」(令和6年12月)|防寒対策の3段階(保温材・ひもで固定・ビニールテープで下から隙間なく)・屋外の給湯器の注意・ぬるま湯と熱湯の注意|確認日2026-10-03
- ・長野県企業局上田水道管理事務所|水道管の凍結にご注意ください|真冬日・保温材と凍結防止帯・メーターボックスの保温・不凍栓の操作・熱湯とやけど・破裂時の対処・費用負担・不在中の漏水|確認日2026-10-03
- ・福岡市水道局|水道管の凍結注意について(令和7年1月29日)|保温チューブ・メーターボックスの保温・ぬるま湯・メーターボックス内のバルブ・平成28年の破損3,339件|確認日2026-10-03
画像クレジット
この記事で使っている写真の出所です。アイキャッチの背景写真(CC BY)は、ライセンスの条件に従って撮影者・ライセンス名・元ファイルへのリンクを表示しています(本文の図はすべて自作です)。
- ・アイキャッチ:撮影:temaki/Wikimedia Commons/CC BY 2.0(左端を切り取り、アイコンを重ねて加工)