世界の水道水は飲める?海外の硬度と日本の軟水の違い

海外旅行や出張の前に気になるのが、「現地の水道水はそのまま飲めるのか」という疑問です。この記事では、国の検疫機関が公表している注意事項と、水の硬度が地域で違う理由という2つの観点から、海外の水と日本の水の違いを整理します。

結論を先に言うと、水道水をそのまま飲める国・地域は限られており、迷ったら飲まないのが公的機関の案内です。国ごとの事情は変わりうるため、本記事では特定の国の可否を断定せず、確認のしかたをお伝えします。

地球と、水質基準への適合が義務づけられ水が出ている日本の蛇口・状況がさまざまな海外の蛇口を並べ、水道の仕組みが世界共通ではないことを描いたイラスト
日本の水道水は水質基準への適合が義務づけられていますが、この仕組みは世界共通ではありません。図:水のソムリエ編集部作成

水道水の安全性は国・地域で大きく異なる

日本の水道水は、法律にもとづく水質基準への適合が義務づけられた上で供給されています。しかし、この仕組みは世界共通ではありません。浄水や配管の状況は国・地域によってさまざまで、同じ国の中でも都市と地方で事情が違うことがあります。「日本と同じ感覚で蛇口の水を飲む」ことは、海外では前提にできないと考えるのが安全側の姿勢です。

疑わしければ飲まない・水道水は最低1分沸騰させる・氷は生水から作られている可能性がある、という検疫所FORTHの案内3点をカードで並べた図
公的機関の案内は「疑わしければ飲まない」「沸騰は最低1分」「氷にも注意」の3点です。図:水のソムリエ編集部作成

公的機関の注意——検疫所FORTHの案内

海外渡航者向けの公的情報として、厚生労働省検疫所の海外渡航者向けサイト「FORTH」は、食べ物・水について次のように案内しています(厚生労働省検疫所FORTH・2026年8月9日調査)

ポイントは3つです。第一に、迷ったら飲まずにボトル入りの水を選ぶこと。第二に、水道水を使うなら十分に沸騰させること。第三に、飲み物に入った氷のように、見落としやすい形で生水を口にする場面があることです。

白い石灰質の棚状地形にたまった水
石灰質の地層を長く通った水は、硬度が高くなりやすいとされます(イメージ)。写真:Maciej Cisowski/Pexels

硬度も地域で違う——海外の水が「重い」と感じる理由

安全性とは別の観点として、水の硬度(カルシウム・マグネシウムの量)も地域で大きく異なります。石灰質の地層を長く通った地下水は硬度が高くなりやすいとされ、ヨーロッパの一部地域などでは硬水が一般的とされています。海外のホテルの水やミネラルウォーターを「重い」「癖がある」と感じるのは、硬度の違いによることが多いと説明されます。

一方、日本の水道水や国産の天然水は軟水が多いとされます。実例として、当サイトが調査した国内の宅配水5社の水の硬度は代表値で22〜50mg/L(各社公式サイト記載・2026年8月調査)と、いずれも一般に軟水とされる目安に収まっています。帰国後に「日本の水は飲みやすい」と感じるのは、この差によるところが大きいでしょう。

日本国内にも硬度の地域差はある

なお、軟水が多いとされる日本国内でも、水道水の硬度には地域差があります。国内の硬度の話は、宅配水5社の硬度一覧の記事と、浄水型サーバーの硬度が地域の水道水で決まる仕組みの記事で詳しく整理しています。

まとめ

海外の水道水は、国・地域により水質も飲用の可否も大きく異なります。公的機関の案内は「疑わしければ飲まない・ボトル入りの水が最も安全・沸騰は最低1分」という明快なものです。硬度の面でも海外は硬水の地域が多いとされ、軟水中心の日本とは飲み心地が変わります。

渡航先ごとの最新情報は、厚生労働省検疫所FORTHなどの公的情報で出発前に確認してください。本記事の記載は2026年8月時点の調査にもとづく一般的な整理で、特定の国・地域の飲用可否を保証するものではありません。