ベビーベッドの写真を背景に哺乳瓶と大小の水滴を描いたイラスト(赤ちゃんと硬水の記事)

赤ちゃんに硬水がダメな理由|ミルクと水の硬度の話

「赤ちゃんのミルクに硬水は使わないほうがいい」という話は、育児情報のなかでもよく目にします。この記事では、なぜそう言われるのかを、水の硬度の基礎知識と、公的なガイドライン・各社公式サイトの記載という確認できる事実に分けて整理します。

本記事は水の基礎知識を整理するもので、医学的な助言を行うものではありません。個々のお子さまへの水やミルクの与え方は、粉ミルクメーカーの案内と、かかりつけの医師・助産師等の指示に従ってください。

なぜ「赤ちゃんに硬水は避ける」と言われるのか

硬水とは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含む水のことです。一般に、消化器官が発達の途中にある乳児にとって、ミネラルの多い水は体への負担になりやすいとされ、これが「赤ちゃんに硬水は避ける」と言われる主な理由として説明されることが多いです。

特にマグネシウムはおなかがゆるくなる一因になるとされることがあり、大人にとっては個性の範囲であるミネラルの差が、乳児では無視できない差になり得る、という考え方です。いずれも一般的な傾向としての説明であり、個々の症状の判断は医療者に委ねられます。

ミルクは「水のミネラルを上乗せしない」前提で設計されている

もうひとつの理由としてよく挙げられるのが、粉ミルクの設計です。乳児用の粉ミルクは、それ自体で必要な栄養バランスになるよう成分が調整されているため、溶かす水の側からミネラルが多く加わることは想定されていない、と説明されることが多いです。

このため、粉ミルクの多くはパッケージや公式サイトで調乳に適した水の目安を案内しています。「どの水で溶かすか」は、まず使っている粉ミルクのメーカー案内を確かめるのが出発点になります。

公的なガイドラインはあるのか

調乳の衛生については、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が作成した「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」があり、厚生労働省が概要と仮訳を公表して周知しています(厚生労働省 食品安全情報ページ・2026年8月9日調査)

調乳の温度については、たとえばevery freciousの公式FAQが、ECOモードの70〜75℃を「調乳に最適な温水温度」とし、厚労省ガイドラインの要件に言及する形で案内しています(公式サイト記載・2026年8月調査)。温度や手順の詳細は、ガイドライン本文と粉ミルクメーカーの案内で確認してください。

各社公式サイトは「赤ちゃんと水」をどう書いているか

ウォーターサーバー各社も、赤ちゃんのミルク作りについて公式サイトで言及しています。表現には各社で差があり、その差自体が参考になります。

サービス名公式サイトの記載(要約)
every frecious公式FAQに「赤ちゃんのミルクにも安心してご利用いただけます」と明記。ECOモード70〜75℃を「調乳に最適な温水温度」と記載
コスモウォーター公式コラムに「ウォーターサーバーのお水でミルクをつくることは問題なく、推奨されています」と記載
プレミアムウォーター「お水は軟水で、消化器官が未発達な赤ちゃんの身体にも負担がかからず、安心してお使いいただけます」と記載
アクアクララ「赤ちゃんにも負担をかけない軟水なので、ミルク作りに安心して利用できます」と記載(粉ミルクは必ず70℃以上のお湯で、との注意記載あり)
ウォータースタンド公式コラムに「温水は、70℃・80℃・90℃の3つの温度が選択でき、赤ちゃんのミルク作りにおすすめです」と明記(厚労省推奨の70℃以上にも言及)
表1:赤ちゃんのミルク作りに関する各社公式サイトの記載の例。各社公式サイト記載(2026年8月調査)

共通しているのは、いずれも「軟水であること」を安心の根拠として挙げている点です。逆にいえば、各社の案内は自社の軟水を前提にしたものであり、硬度の高い水にそのまま当てはまるものではありません。

10社の公式記載を、調乳への言及・温水温度・硬度の3つの表で比較した記事もあります。詳しくは赤ちゃんのミルクにウォーターサーバーの水はそのまま使える?10社の公式記載を整理をご覧ください。

硬度の数字で見ると

当サイトの比較台帳に収載する宅配水5社の硬度は22〜50mg/Lで、いずれも一般に軟水とされる範囲に収まります(各社公式サイト記載・2026年8月調査)。一方、海外産のミネラルウォーターには硬度が数百mg/Lに達する製品もあり、「軟水か硬水か」はラベルの硬度表示で確認できます。

浄水型ウォーターサーバーの水は原水が水道水のため、硬度はお住まいの地域の水道水に準じます。日本の水道水は多くの地域で軟水域にあるとされますが、地域差はあります。

まとめ

「赤ちゃんに硬水がダメ」と言われる背景には、乳児のミネラル負担への一般的な配慮と、粉ミルクが水のミネラルを上乗せしない前提で設計されているという2つの説明があります。公的にはWHO/FAOの調乳ガイドラインが存在し、厚労省が周知しています。

実際にどの水・どの温度で調乳するかは、粉ミルクメーカーの案内とかかりつけの医療者の指示が最優先です。あわせて、サーバーを使う場合の置き場所やチャイルドロックなど物理面の備えはウォーターサーバーの赤ちゃん対策|ロックと置き方で整理しています。

本記事の内容は一般的な傾向と各社・公的機関の公開情報の整理であり、医学的助言ではありません。記載は2026年8月時点の調査にもとづきます。